筆 ふで

簡単に言えば、硬い筆かやわらかい筆か、どちらかです

初心者が、筆を見ても試しても良い筆か悪い筆か見分けるのはむずかしいです。
というか、私もよくわかりません。

あとは値段で二千円から5千円位が目安です。
手ごろな同じような筆を2本買うのも良いでしょう。
交互に使えば寿命ものびます。

ただ、硬い筆は書きやすく、くせはありませんし楷書には適しています。
やわらかい筆はくせがあるので、思ったところにかけません。でもそれがおもしろいのです。

最初は書きにくいなと思った筆でも、使っているうちに良い筆になってきます。
できれば羊毛の筆、羊と馬の尾の毛の混じった筆が良いでしょう。

穂先は長めの筆。というのは、なれてくると筆の弾力を感じ、書くようになります。
線を書くときに、ふくらんだり、とめるときに、筆の弾力で穂先を直しながら書きます。

子供には筆のおなかに墨をつけて(ふくませて)、筆を直しながら書きなさい。と教えます。
そうすると、一画一画がていねいになります。





1回墨をつけたら、一文字、人によっては半紙1枚を書こうとしますが、達人技です。
筆を直しながら書いても、何回も筆を硯で直しても墨をつけてもかまいません。
徐々に、回数は少なくなりますから。自分のペースで、一画一画が大事です。

小筆は書く分おろしてもかまいませんが、普通の筆は全部おろしましょう。
最初に水やお湯で、ていねいにほぐしてください。
あまり力を入れると折れたり、穂先がとれてしまいます。(特に中国産)

のりがついていますから、のりもきれいに流すように洗います。
指先で軽く水分を取り、できればつるしてかわかしてください。
穂先を人差し指と親指でそろえてつるしてください。

かわいたら、ほぐしてください。いい感触です。私はこの感触が大好きです。

使ってからの筆、寿命をのばすには

■そのままにしないで、すぐ洗いましょう。根元まできれいに洗います。
  じゃぐちをひねって、じゃぐちから落ちた水を直接あてないで、少し横で洗います。
  直接あてると、何回かするうちに筆が割れてしまいます。
  墨を落とすためにすすぐという感じで洗ってください。
  
  私はここで、固形石鹸を左手につけて、筆を根元からなでるように、洗います。
  そのあとすすいで、穂先をそろえつるします。
  ここまでしないと、かわいたときに、穂先に墨がかたまってしまいます。
  多少はかたまりますが、墨をつけると溶けてなじみます。

  かわいたら筆をほぐし毛のもつれをなくしておきます。
  筆の風とうしがよくなります。

とにかくいろいろな筆を試して、手入れをよくしてください。
私は普通の筆で、5千円以上の筆は買いません。
それよりくせのありそうな、安い筆をみつけます。そして大事にします。



 すみ

墨を磨るか、墨汁ですませるか?
やはり墨は磨らないといけない。粒子が墨汁と磨った墨では違う。
筆が傷む。色が違う。等等・・・

確かに筆を洗ったり、かわいたあとの筆を見ると、墨汁で書いた筆は違います。

しかし、そのほかは微妙ですし、わかりません。
最新の技術進歩で、墨液の粒子は磨った墨よりはるかに細かいそうですし、色は半紙クラスでは
黒は黒ですし、あっても青墨・茶墨などの違いくらいです

私は磨るのも好きですし、書かなくても墨を磨って何にも考えないこともあります。(おちつきます)

空気の乾燥時期には、すぐ磨れますし、梅雨時はにじんだりします。
にじんだくらいが好きなので、よくもう少し濃く磨って、墨汁を入れなさい、なんてよく言われました。

墨を磨る時間に、練習すれば上達するのではないか?という意見もあるでしょう。

一度、大き目の硯で大き目のライターくらいの墨で磨ってみてください。(私はタバコは吸いませんが・・・)

古い墨、何年も寝かせてある墨、もったいなくてもしかしたら使わない墨、自分の生まれた年の墨。
たまに出して、ならべて、ながめて・・・

固形の墨は、普通の漢字用の墨で良いでしょう。

そのほかに、青墨(あおいすみ)茶墨(ちゃいろいすみ)朱墨(あかいすみ)などがあります。
あお・ちゃ・は黒い中での青みと茶っぽいというだけで、普通に見れば黒です。
朱墨はお手本や先生が使う墨です。他の色もありますが普通はこんなもんでしょう。

ただ、中国産の青墨(松煙墨)は、不純物が入っていることが多く、硯を傷つけてしまいます。
きおつけましょう。墨は日本のもののほうが良いようです。

磨り方は、硯に水を数滴落とし磨り、また数滴落とし磨る。この繰り返しです。
最初に水を硯に入れ、墨で掻き出し磨ると、墨もぬれてしまいますし、なかなか濃く磨れません。

墨も生きていますので、湿気に注意して大事にしましょう。





硯 すずり

石が見るようになり、硯になります。
硯はさすがに、広い大地を誇る中国にはかなわないようです。

硯の王者、端渓硯(たんけい)、青くきれいな歙州硯(きゅうじゅう)が中国代表。
そのほか、澄泥硯(ちょうでい)、新桃河硯(しんとうが)等。

日本では、山梨の雨畑硯、山口の赤間硯、長崎の若田硯等二十数種類の石があります。

端渓硯は高価格で骨董品・お宝です。
最近では新たに新端渓という、麻子抗宋坑の石が多いようです。

硯の使命は墨液を作る道具、墨を磨ることです。
墨がよく磨れれば、実用としては合格です。

最近では子供の道具の硯には、セラミック製のものもあります。
さすがに墨汁用でしょうが、愛着はわきませんね。

書習字を始めるには、最初は子供時代のものでかまいません。

しかし、長く続けるには、大き目のものが便利ですし、墨も磨りやすくなります。

サイズは20センチ前後、またはそれ以上の大きさが便利です。

作品として残るものをのぞいて、文房四宝の中で、硯だけが消耗品ではありません。

硯は何十年、いや何百年たっても十分使用できます。
家に残せば、代々の家宝にもなりますし、自分の子孫が使ったり、どこかへ旅に出たり、永遠です。

ぜひ、実用とともに、あきない大き目の硯を使ってみてください。

磨り方は、墨の最後に書きましたが、磨るところに、水を数滴落とし磨り、また数滴落とし磨る。
この繰り返しです。いっぺんに水を入れるとなかなか濃くなりません。
むしろ磨った後で、水を足し薄めるくらいの気持ちで磨ったほうが良いでしょう。

この時水は常に新しい水を汲み、磨って下さい。
たまに天然水などもためしてみましょう。

硯は、使い終わったら、きれいに洗いましょう。
墨がかたまり、角などはとれなくなります。
スポンジできれいに洗ってください。かたい、たわしなどでは洗わないようにしましょう。
鋒鋩(ほうぼう)という硯の表面の、目が削れてしまうと墨が磨りにくくなってしまいます。

硯は顔を洗うくらい、それ以上によく洗いなさい。と言われます。
お気に入りの硯が墨でかたまっていたらいやですよね?
私は冬でもお湯で洗うと色が悪くなるように感じ、水で洗います。
雨や川の水で鍛えられている石を想像してしまいますから・・・

洗うときに水につけると色が変わったり、洗ってから乾いていく過程でまた色が変わります。
そんなことにも感動しながら大事にしましょう。
                                                                                                  




紙 かみ

33.5cm 24cm
昔風には、天地一尺一寸 幅八寸  半紙の大きさ(寸法)です。

昔から日本各地で漉(す)かれていた紙を半分に切る(半歳)ので半紙になりました。

木材・パルプ・麻などを使い機会で漉いている機械漉きの紙。
手で漉いている手漉きの紙があります。

手漉きの紙は高価格。機械漉きの紙は安価です。

機械漉きのものは、普段の稽古用、子供用として使い、手漉きのものは清書用や、作品用にします。
でも、一度手漉きの紙に慣れると、筆の感触、紙との抵抗・ひっかかりを味わえます。
筆もそうですが、紙もまた、始めは書きにくいと感じても、使い込むうちに好くなるものが多くあります。

薄さ、厚さ、にじみ、かすれ、かわきぐあい、それぞれ特徴があります。
色もまっ白な紙、クリーム色、茶色っぽい紙、繊維がむき出しになっている紙、様々です。

作品用には画仙紙を使い、中国産、日本産があります。

大きさも様々ですが、好きな大きさで自由な言葉を書くのが良いです。
形にこだわらず楽しく書いてください。

半紙で練習し、好きな大きさで書く。
半切(はんせつ)の大きさの紙を半分に切ると、自由に書けますし、ちょうどいい大きさです。

半紙、画仙紙も湿気に注意して、ある程度ねかしてから使うのが良いでしょう。
書いた後の紙も新聞紙かわりにもなりますし、包装紙代わりにもなります。

気に入ったものは、ファイルに入れ、書いた日付を裏に鉛筆などで書いておきましょう。
何年後かに見て思い出したり、記念になりますよ。

その他にも、色紙や短冊、大きさも様々です。楽しんで工夫して書いてみましょう。
一期一会の勝負です。書いているこの時を大事にしましょう。







以上が、文房四宝(ぶんぼうしほう)と呼ばれている、筆 墨 硯 紙 です。

難しいことは書かずに、普段私が行っている事を中心に思い出しながら書きました。
初心者には参考になると思います。

書習字を続けていくうちに、これらのものは徐々に増えていくはずです。
時には筆や硯のほうから、近づいてくるでしょう。
ここまで読んでいただいたあなたには、近いうちにおとづれることでしょう。

それも楽しみの1つにしてください。
それでは、まずは家にある道具で、何でも書いて見ましょう。
まずは、このホームページのお手本をみようみまねで書いてみてください。

そして、続けましょう。一生できる趣味ですから。

気長に、何枚も何百枚も・・・時には1枚でも、墨を磨るだけでも!

文房四宝の魔法にかかってしまいました・・・・・・ね!


書習字ホームへ        一筆ブログ匍匐前進 NEW




                            













  

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送